さて京都の古社について少し見ていきたいと思います。
これらを見ていきます。
賀茂神社・貴船神社・伏見稲荷・松尾大社・日吉大社・愛宕神社 木島坐天照御魂神社・大酒神社・大原野神社
書いている最中に思い出して少し増えるかも知れません。
【賀茂神社】
これについては既にいろいろ述べていますので、簡単に。
基本的に上賀茂神社と下鴨神社に分かれますが、単に賀茂神社と言えば、
上賀茂神社を指します。歴史的にもこちらがずっと古いもので、下鴨神社
の祭祀は奈良時代の天平年間頃に始まったものとされています。
なぜ下鴨神社が作られたかについては、賀茂一族の力が強すぎるので二つ
に分けて勢力をそごうとしたという説や、この地区の開墾の進捗により、
新たな神社が欲しくなったためという説などがあります。
むろんどちらも延喜式では名神大です。
賀茂別雷神社 亦若雷・名神大・月次相嘗新嘗 賀茂御祖神社二座 並名神大・月次相嘗新嘗
賀茂別雷神社(上賀茂社)は愛宕郡のトップ、賀茂御祖神社(下鴨社)は3番 目に載っています。2番目は出雲井於神社。これは現在は下鴨神社の境内 摂社になっています。どこかで主客が逆転したのかも知れません。下鴨神 社の境内摂社になっているもう一つ重要な名神大の延喜式神社は河合神社 (鴨川合坐小社宅神社)で、糺の森の南側に河合神社、北側に下鴨神社が ある配置です。
この鴨・秦関係の神社を見ていると、関心させられるのがその見事に計画 的な配置です。
夏至には、この下鴨神社のある糺の森ではちょうど比叡山(四明岳)の方角
から太陽が昇ります。そして、冬至にはちょうど松尾山の方角に太陽が沈
みます。さらに言うと、この下鴨神社と松尾山(松尾大社)を結ぶ線の上に
『三柱鳥居』で知られる木島坐天照御魂神社の「元糺の森」があるのです。
これについては、また木島神社のところで触れます。