←↑→ タロット講座( 2)タロットの歴史

タロットの起源はよく分かっていません。一時期エジプト起源説がささやかれ
た時代もありますが、現代では多くの人がそれに否定的です。タロットの起源
については何十種類もの説があり、その一部はU.S.Gamesの「タロット百科事典」
に書かれています。地域的にもヨーロッパから中東・インド・朝鮮・日本まで
様々です。

はっきりしているのは14世紀にイタリアやスイス・フランスなどで使用されて
いた、しかもしばしば当局から禁令が出ていたということです。現存の最も古
いタロットは1428年にイタリアのミラノの大公家ヴィスコンチ家のために制作
されたタロットです。このタロットは「Cary-Yale版ヴィスコンチ・スフォルザ」
の名前でU.S.Gamesから復刻されていますが、ここで突然このセットが考案され
たとは考えにくく、恐らくタロットは何かをヒントにして13世紀末から14世紀
初め頃に当時の文化の中心地であるイタリアで誕生したものと思われます。

現代の日本ではタロットとトランプは別のものと認識する人が多いですが、
少なくとも初期の頃は両者は一緒に発達してきたと考えられます。トランプは
ゲームと占いの両方に使い、タロットは占い専用と思っている人も時々います
が、実際にはどちらも昔から占いとゲーム(主に賭事)に使用されてきました。

初期のタロットとして有名なのは上にも述べた「ヴィスコンチ・スフォルザ」
のデッキです。このデッキについて詳しいことは U.S.Gamesのタロット百科事典
vol.2をご覧ください。15世紀にイタリア・ミラノの名家ビスコンチ家及びその
親戚のスフォルザ家に所属していた手描きの美しいタロットで現在でも200枚以上
のカードが現存しています。

このヴィスコンチ・スフォルザのカードではコートカードに、王・女王のほか
男騎士・女騎士・男従者・女従者といったバリエーションが見られます。初期
のタロット及びトランプでは、コートカードは色々な組み合わせがあったよう
です。その内、タロットでは、
     王・女王・男騎士・男従者
     王・女王・王子・王女
という2つの流儀に収束していきますし、トランプでは
     王・女王・男従者
     王・男騎士・男従者
     王・男騎士・女従者
という3つの流儀に収束していきます。この辺りの経緯は濱口博章・山口格太
郎「日本のかるた」保育社(カラーブックス)に詳しいので、それを参照して
ください。

次回はそのオカルティストたちが登場するあたりからの歴史に触れます。



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