05.中空惑星の重力

↑

内側の重力はどちら向きか?

SFや漫画では、しばしば中空惑星というのが出て来て、そこでは惑星の内側では、人々が地面に立って生活を営んでいるように描かれている。本当に中空惑星の内側では重力は外向きに働くのだろうか。

この問題について私は高校時代に万有引力の式から積分してみて、中空惑星や環状惑星では、重力は中心に向かって働くという結論に達した。だから、中空惑星の内側で、殻の内側に立ってそこで生活を営むのは不可能だと考えられる。この時のノートが出て来ないのでこの正確な経過をたどれない。

物凄く大雑把に考えてみる

中空惑星において、もし重力が外向き(外殻向き)に働くとして、その下にある地面から来る万有引力と反対側に広がる向こう側の地面を考えてみる。

すると足下の地面は近くにあるから \( \frac{GMm}{r^2} \) の r がとても小さい。だからこの値は結構大きくなる。これに対して反対側に広がる部分は r は遠いが、その分面積も広くなる。すると rが大きくなる代わりにMが距離の二乗に比例して広がるから、結果的に真下にある地面から受ける引力と釣りあうのではないかという気がする。

結果的には自分より外側にある地面の引力というのはきれいに相殺しあって、内部は無重力にあるのではないかという気がするのである。

積分計算

この想像は、正確にはきちんと積分を解いて確かめる必要がある。ところが私の頭が錆び付いていて、若い頃にできた積分計算ができない。それで困っていたら、これを正確に計算してみている人があったので↓に紹介する。

http://takeno.iee.niit.ac.jp/~shige/math/lecture/misc/data/gravity2.pdf

この人の積分計算で、やはり私の大雑把な想像が当たっていたことが分かる。つまり
  • 惑星内部の重力はそこより下にある部分の質量が全て中心に集まっていると考えた時の重力に等しい。
  • 特に中空惑星の内部は、それより内側に質量が無いので無重力になる(但し自転による遠心力は掛かる)
  • だから、やはり中空惑星の内部で、人々が外殻の地面の上に逆さまに立って生活を営むというのは不可能なのである。


    (2021-08-19)

    (C)copyright ffortune.net 2021 produced by ffortune and Lumi.
    お問い合わせはこちらから