←↑→ (序)暴落する銀行株
現在日本の銀行には「BIS」という3文字が重くのしかかっています。

BISとはBank for International Settlement(国際決済銀行)。現在政府は国内
の銀行にBISの基準である、自己資本÷リスク資産の率8%以上というのを実現
するよう求めており、今までかなりアバウトな経営をしていた銀行では、この
「BIS規制」がどうにも達成できず苦しんでいます。

この率を守るには、自己資本を大きくするか、リスク資産を減らすしかありま
せん。しかも今まで「自己資本」ということにしておいたものの中に実際には
自己資本とは認められないものがあることが指摘されており、この問題が今年
5月にりそな銀行(旧あさひ+大和)を破綻に導きました。ここは大和銀行の
アメリカの支店の一社員がひとりで数千億円の投資失敗をした事件が結局ここ
まで来てしまった感じです。春に分割されて消滅した石川銀行の場合は増資で
対応しようとしたのですが地元に体力のある株の引受手が得られず結果的には
その最後の増資が被害を拡大させました。

自己資本が増やせない、あるいは従来主張していたものより小さく評価されて
しまうとすれば、今度はどうしてもリスク資産を減らす努力が必要になります。
すると各銀行は危ない企業への貸出を引上げる必要が出てきて、かくして企業
の倒産が相次いでいます

竹中金融相がこの路線を強引に押し進めているのは、財務状態が極端に悪化し
た企業に追加融資しても単に不良債権を拡大するだけで積極的な活動には結び
つかず、むしろその分を健全な経営をしている所の支援に回すべきであって、
そうしなければここまで沈滞した日本経済は再生しないという読みでしょう。
ただこの後半がうまく行っていないのが大いに問題です。

また企業があまりにも多く破綻すると今度は銀行自体も貸し倒れが膨らみすぎ
て経営が苦しくなります。しかし特にバブル期に甘い審査で大量に中小企業や
個人に融資した銀行が、債権が回収できずに厳しいことになっています。

先日足利銀行が破綻しましたが「その次か」と幾つかのマスコミが噂している
某銀行の場合、りそなや足利と同様に自己資本に占める繰延税金資産が異常に
高い率になっています。この銀行は1980〜1990年代に掛けて地元の人も大丈夫
か?と思うほどメセナに力を入れており、今そのツケが一気に来ている感じで
す。株価は今週末ついに100円を割り込んでしまいました。

銀行が破綻してしまうと、そこをメインバンクにしている多くの企業がそれ程
ひどい内容の経営をしていなくても運転資金に窮して破綻に追い込まれる場合
がしばしばあります。

結局これからの時代、会社の経営では「金は借りるな。活動資金は自己資金と
株で集めろ」ということになるのでしょう。この件はまた追って。


(2003-12-20)

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