←↑→ (02)群がるハイエナたち
不況が続き自己破産者の数もうなぎ登りです。下記は平成に入ってからの毎年の
自己破産(申立)者数の統計です。
  平成元年   9,443  平成8年  56,494
  平成2年  11,480  平成9年  71,299
  平成3年  23,491  平成10年 103,803
  平成4年  43,394  平成11年 122,741
  平成5年  43,819  平成12年 145,207
  平成6年  40,614  平成13年 160,419
  平成7年  43,414  平成14年 214,634

(消費税が5%になったのは平成9年4月。5%にすることを決めたのは村山政権。
  実施したのは橋本政権。ソフトに見える政権ほど意外に政策が破綻している)

昨年とうとう20万人を越えた訳ですが、今年は27〜28万人に達しそうです。(*1)
破産した人の住所氏名は官報に記載されますが、この部分の官報のページ数が
毎日数十ページ、多い日には200ページ近くに達しています。

このため現在、破産の処理をする為の法廷には、債務者が一度に何十人も詰め
込まれてまとめて処理をしています。これでもだんだん追いつかなくなって来
たため、処理を簡易化し単純なケースでは法廷を開かなくても良いようにする
破産法改正案が今度の通常国会に提出される予定です。

さて毎日何百人と官報に記載される破産者ですが、この破産者の住所氏名を
コツコツ入力している人達がいます。そしてこの名簿データを買ってせっせと
「あなたの再スタートを支援します」などという信じがたい勧誘文句を載せた
DMを掛けて破産者にお金を貸そうとする金融業者があります。そしてこういう
業者からつい借りてしまって再度返済不能状態に陥る懲りない人たちがいます。

一度破産免責していればその後10年は免責が降りません。自業自得ですから
10年間は頑張って返すしかありませんが、この人たちにわざわざDMする業者
も悪質です。こういう勧誘行為は禁止すべきだと思います。

破産する以前の人達への誘惑もあります。現在日本全国で破産予備軍は200万人
いると言われていますが、私は小泉構造改革の影響で多分500万人を越えただ
ろうと思います。2000年から「テラネット」という信用情報の交換システムが
動き出しました。これによって今までいくつかの信用情報機関がバラバラに
持っていたブラック情報はどこからでも参照できるようになり、今まで以上に
(まともな所からは)融資を断られる人が増えています。

ところが普通の金融業者で断られる人にも貸す所が存在します。一般には街金と
呼ばれ特に無届けのものを闇金といいます。昔は「といち」といって10日で1割
(年利にすれば3240%つまり10万円借りたら1年で324万円になる)といった高利
を取っていたのですが、最近は「とに」「とご」もあるそうです。「とご」だと
年利は天文学的な数字になります。こんな所から借りようと思うこと自体、既に
正常な判断ができなくなっていますが、借りた経験のある人は「利子1万円なら
何とかなりそうな気がした」などといいます。

なお法的には年利29.2%を越える利子を取れば違法ですし20%を越える部分は
返済する義務がありません(20〜29.2%の間はグレイゾーン。この件は後で)。

警視庁の闇金に注意を呼びかけるページ→
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kouhoushi/no7/9110/9110.htm

年明けから禁止されることになった090金融と呼ばれる携帯電話だけを記載した
実態のつかめない金融業者の場合は、やはり「といち」程度の高利で貸して、
毎日元利の回収に来ます。

紹介屋という連中もいます。これはどこも貸してくれなくなった人に「貸して
くれるところを紹介する」といって、紹介料を取るものですが、実際には紹介
先と提携しているわけではなく無関係です。ですから紹介屋から紹介されたから
といって、そこが貸してくれる確率が高いという保証は全くありません。

整理屋というのもいます。多重債務で苦しんでいる人はできれば債務を幾つか
まとめたいと思っています。そこで「1本化させてあげる」などといって高利
の貸金業者を紹介するものです。整理屋の場合、しばしば本職の弁護士が絡んで
いて弁護士の名前で「任意整理してあげる」といって実は全然整理してくれず
にかえって高額の月々の返済をさせる所もあります。これは俗に「提携弁護士」
と呼ばれており、まともな仕事のない弁護士が、こういうダークな仕事に手を
染めています(むろん見つかれば即資格停止)。こういうのを知らないと、相談
した人は弁護士が付いているのなら大丈夫だろうと信用してしまうのです。

買取屋というのはクレジットカードのキャッシング枠を使い切っているがショ
ッピング枠を持っている人に高額で転売の効く商品を買わせ、即それを売飛ば
して転売代金の一部を手数料として取るものです。この手数料が高いですし、
買った値段より売る値段はずっと安いですし、引っかかった人は結局元の借金
よりずっと多い額のショッピング残高を抱え込むことになります。そもそも
クレジットカードで買った商品は代金が完済されるまで所有権はクレジット会社
にありますので、それを勝手に売るのは厳密にいえば横領罪です。破産の裁判
でも免責の不許可事由になります。

最近話題になったシステム金融というのは、グループ化された多くの貸金業者
です。ひとつの所で借りて返せなくなったら、同じグループの別の業者を紹介
するという手口であっという間にひじょうに多数の業者からお金を借りてどう
にもならない状態に陥らせてしまいます。

さて、違法性の高い街金業者は、取り立ての仕方もひどいものが多いようです。

本人の自宅と職場に毎日電話をしてきて、それで返さないと今度は家族の職場
などにも電話してきます。真夜中に訪問してきて騒ぎます。更には本人や配偶者
の親兄弟の所、親戚の所と進み、最近では、全く無関係の、隣や向かいの家の人
にまで代理返済を迫るそうです。

嫌がらせもひどく、自宅に張紙をしたり、漆塗り電報の弔電を打ってみたり、
その人の名前でピザの宅配を注文したり。そこまでひどくない違法性の低い所
は逆に給料の差押さえなどを掛けます。この時に、無知な債務者から予め公正
証書を取っておく業者もよくあります。すると本裁判無しで差押さえが可能です。

さて普通の業者はこの程度まででまだ済むのですが、暴力団が絡む所ではもっと
ひどいものもあります。ここから先は稀に新聞沙汰になるものから想像するしか
ないのですが、男性なら「タコ部屋」に押し込んで働かせたり、女性なら風俗で
働かせたり売春をさせたり。そういった手段が効かない場合は保険金を掛けて
事故に擬装して殺したり外国に連れて行って殺して移植用に臓器を売り飛ばし
たり(俗に「海外旅行」という)などというのもあると噂されています。

一般に、まじめな人、誠実な人ほど「頑張って返さなければ」という意識が強す
ぎて、破滅的な状況に追い込まれやすいと言われています。(平気な顔で借金を
踏み倒せる人の方が債務が少額のうちに破産するので迷惑度が小さい。)

身の危険を感じるほど追いつめられている人がいたら、またそこまで行かなく
ても、一生掛かっても返せそうにない過大な債務に苦しんでいる人がいたら、
私たちが掛けてあげられる言葉はひとつ。

『各地の弁護士会の相談窓口に行きなさい。30分5000円で相談できますよ』

ということです。闇金の事務所を訪れる度胸があるのなら弁護士会のオフィスの
ほうが、よほど怖くないはずです。

なお借金の整理を弁護士に依頼することを決めたら、その後の返済は全て弁護士
を通してすることになりますので、返済に回すハズだったお金で、弁護士報酬が
払えるのです。このことも認識していない多重債務者は多いようです。

この付近のこと、詳しくは2chのクレジット板の破産や任意整理のスレッドを
読むのが良いでしょう。(法律事務所のサイトには情報が古すぎるところが
しばしばあります。また2ch的にかなり評判の悪い法律事務所もあります)

(*1) 平成15年は 242,357人でした。

(2003-12-24)

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