←↑→ (07)金融機関と預貯金の種類
さて金融機関にはどんな種類があるでしょう?まず銀行と郵便局があるなと
いうのは思いつくのですが、少し考えると信用金庫・信用組合などというのも
あるぞと思い至ります。

昨年4月に施行された「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」
(通称「本人確認法」)では金融機関として次のような物を挙げています。

銀行・信用金庫・労働金庫・信用協同組合・農業協同組合・漁業協同組合・
水産加工業協同組合・農林中央金庫・商工組合中央金庫・保険会社・証券会社・
信託会社・無尽会社・貸金業者・住宅金融金庫・日本郵政公社

法律では全部で40個挙げているのですが主なものだけとりだしました。
この中で銀行は一般に、都市銀行・長期信用銀行・信託銀行・地銀・第二地銀
およびネット専業銀行に分類されています。

長期信用銀行は銀行法ではなく長期信用銀行法で定められた特殊な銀行で、
金融債を発行し企業向けの長期融資を主な業務としています。実際には日本
長期信用銀行から受け継がれた新生銀行、日本債券信用銀行から受け継がれた
あおぞら銀行の二行しかないのですが、新生銀行は普通銀行への転換を表明
しており、このシステムは消えゆくのかも知れません。

似たようなものでそれぞれの特殊な法律で設立された、日本勧業銀行、北海道
拓殖銀行、日本興業銀行もあったのですが、北海道拓殖銀行は経営破綻した後
北洋銀行が預金等をひきつぎました。日本勧業銀行は第一銀行と合併して
第一勧銀となった後、現在は日本興業銀行とともにみずほFGに合流しています。

信託銀行は信託業務と銀行業務の双方をする金融機関ですが、近年普銀と業務
的に相互乗り入れ、あるいは統合していこうという動きがあります。

第二地銀は昔の相互銀行が1989年に一斉に普銀に転換したもので、相互銀行と
は戦前の無尽会社が1951年に銀行に転換したものです。無尽会社というのは
一種の相互融通金融であり、地場の小さな企業や商店などが掛け金を出し合い
それにもとづいて入札で融資をするというシステムです。はじめは各地に多く
の無尽会社があったのですが、昭和初期に国の指導でだいたい一県一無尽に
統一されています。今では実際に第二地銀がしている業務は普通の銀行と変わ
りませんが、相互銀行がわざわざ普銀に転換したのは、昔を知っている人たち
が「相互」ということばでこの無尽会社のシステムの記憶を呼び起こされて
「嫌な想い出がある」からだったと言われています。

都市銀行と地方銀行の区分は法律的なものはないのではないかと思います。
ひとつかふたつの地域に密着した店舗展開をしているか、東京などの大都市に
店舗展開をしているかの違いでしょう。一応都市銀行として現在分類されて
いるのは下記のものです。

 みずほFG(第一勧銀+富士銀行+日本興業銀行)
 UFJ銀行(三和銀行+東海銀行+東洋信託銀行)
 三井住友銀行(さくら=太陽神戸三井+住友銀行)
 りそなグループ(大和+あさひ=埼玉+協和)
 東京三菱銀行

都市銀行の中には元々戦前の財閥の流れを汲むものが多くありました。しかし
第一勧銀グループの中核行と芙蓉グループの中核行、三井グループの中核行と
住友グループの中核行の合併というのは、これまで「系列」を重視してきた
日本の商習慣が大きく変わるであろうことを示唆しています。例えば日本電気
の下請けの会社の社員はマツダの車に乗り、アサヒビールを飲む、などといっ
た習慣は、今の若い人たちはだんだん気にしなくなってきているのではないで
しょうか。

さて一方の預貯金の分類ですが、まず預金と貯金というのが日本では言い分け
られています。一般名詞としては「貯金」なのですが、制度的には貯金をして
いるのは郵便局だけで、一般の銀行は「預金」と称します。

預貯金は基本的には決済性の高い普通預貯金・当座預金と、財産性の高い定期
預貯金に分けられます。定期預貯金のバリエーションとしては毎月一定額を
積み立てていく定期積立や、そのバリエーションで給料天引きで積み立てる
財形貯蓄があります。ただし財形は優遇制度が廃止されたあとは住宅取得など
の明確な目的がある人以外はあまり積極的にしないようになりました。財形や
定期積立と似たものでもっと財産性の高いものに定期積金もあります。

企業が比較的大きな資金を動かすものとしてCD(譲渡性預金)もあります。これ
は証書が自由に譲渡できる特殊な定期預金で、これ自体が金融商品として流通
します。似た物では金融機関ではなく企業自体が発行するCP(コマーシャル・
ペーパー)もあります。このあたりは一般の人には縁のないものです。

預貯金と似たような扱いをしばしば受けるのが保険です。保険会社のセールス
の人の中には時々「保険なんて貯金のようなもの」といって勧誘する人もある
ようですが、保険と貯金は全く性質の違うものです。(一時払い養老保険のよ
うな財産性の高い商品は別)日本ではだいたい満期保険金と死亡保険金の双方
が付いている保険商品がよく出ているのですが、満期まで生きていれば満期の
保険金は受け取れますが死亡保険金は受け取れず、死んだ場合は死亡保険金は
受け取れますが満期保険金は受け取れないのですから、本当にお金を貯めたい
のであればその分定期積立などをしたほうがマシです。保険はあくまで万一の
時のために掛け捨て方式で掛けるのが良いでしょう。


(2004-01-09)

←↑→ Dropped down from daily DANCE.

(C)copyright ffortune.net 1995-2013 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせはこちらから