←↑→ (11)実は返しすぎている場合がある
基本的に返済不能になった借金の整理法には下記のようなものがあります。

 (1)破産(特に債務者自身が申請するものを自己破産という)
 (2)民事再生
 (3)任意整理または特定調停

ここ数年自殺者の増加が言われていますが、その増加を引き起こしている原因
は経済的な苦境です。しかし経済的に苦しいからといって自殺しても何のメリ
ットもありません。周囲を悲しませるだけです。保険金で借金の残高が払える
場合もありますが、その場合は結局、保険会社に迷惑を掛けていることになり
ます。その保険会社のお金は庶民がなけなしのお金を掛けたものです。これは
借金で自殺をする人にしばしば欠けている視点です。

借金で苦しむ人が最初に考えてみるべきなのは、任意整理でしょう。

最初の方の回で言ったのですが、実は現在の日本の金利はダブルスタンダード
になっています。利息制限法(第一条)では金利は下記の率以上とってはいけない
ことになっています。
   元本が 10万円未満なら 20%
   元本が100万円未満なら 18%
   元本が100万円以上なら 15%

ところが、出資法(第五条)では年29.2%を越える金利をとったら処罰される、と
いうことになっています。ふたつの法律で規定している金利の上限が違うわけで
このふたつの上限の間の15〜29.2%は「グレイゾーン」になっているのです。
そして、現在大手の信販会社や消費者金融などのほとんどがこのグレイゾーンの
上限の29.2%でお金を貸しています。

この高すぎる分の金利分については、支払う側が分かっていて勝手に上乗せして
払っている場合は、それは有効になってしまいますが、過剰に払っていることを
知らなかった場合は返還を要求することができます。特に長くひとつの会社と
つきあっている場合は、本来の利息制限法の金利で計算しなおすと、借金の残高
が半分以下になったり時には逆にお金を返してもらえることさえあるのです。

ただしこの交渉は借金をしている人が個人で信販会社などとしようとしてもまず
無理です。向こうのほうが口がうまいのでまるめこまれてしまいます。そこで
弁護士の登場となるわけです。

「任意整理」というのは、この利息の「引き直し」を各社に要求するとともに
その残りの残高を3年程度以内に分割して払っていくという方向で交渉します。
場合によっては元本そのものの減額も交渉します。多重債務者の場合、一部の
金融機関の債務が引き直しで大幅に減ったりしていると、思った以上に軽い負担
で完済が可能になる場合もあります。これは特に金利の高いところの債務が多い
人には有効です。

これができると、実際問題として借金はほぼ完全に完済できるので、債務者と
しても良心の痛まない方法です。(ブラックリストには乗るがそれは仕方ない)

任意整理は基本的に弁護士に依頼しますが、その依頼するお金がない人には、
この交渉の仲立ちを裁判所がする「特定調停」というのもあります。すること
は任意整理と同様ですが、裁判所は仲立ちをするだけですから、基本的には
自分で債権者と話しあうだけの気力と最低限の交渉力は必要です。その自信の
ない人はなんとか弁護士費用を用意して、任意整理にするしかありません。

任意整理の弁護士費用は都道府県によっても相場が違いますが、だいたい
債権者1件につき5〜6万円程度です。

ただし任意整理や特定調停の問題点は、債権者との交渉にかなり時間がかかる
ことと、一部の信販会社には分割返済を認めず、減額はしてくれるものの一括
返済を求めるところがあるので、それが払えないと不成立になること。また、
和解して決めた毎月の返済額は確実に守らなければならないので、その時点で
は払えるつもりでも途中で病気などになったりして払えなくなると、結局破産
に切り替えざるを得なくなることです。

これは基本的には将来的にも一定の収入が得られる安定企業勤めや公務員の人
向けの制度と考えたほうが良いでしょう。

(できるだけきちんと返したいといって破産ではなく任意整理を選んだのは
いいが、毎月の返済額が用意できずに闇金に手を出して、弁護士からも匙を
投げられる、どうしようもない人が時々います。自分の経済力を過信しない
事が経済体質の健全化の第一歩です。無理な事をすれば事態は悪化するだけ)


(2004-01-12)

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