←↑→ (20)再編が進む金融業界
先日、三菱東京ファイナンシャル・グループ(東京三菱銀行の親会社)が
消費者金融大手のアコムを傘下に収めるという報道で各方面に波紋が広がって
いました。大手の消費者金融の中でもアコムは比較的企業イメージが良く、
銀行が買うにはお得な企業です。東京三菱銀行は消費者ローンの「キャッシュ
ワン」を運用していたのですが、やはりこの方面のノウハウが弱くて苦戦して
おり、アコムを傘下に収め(おそらくキャッシュワンもそこに吸収する?)、
審査や回収を精密にして採算を取っていこうということだと思います。

この手の業界の壁を越えた動きというのは、最近では消費者金融の三洋信販が
2001年に流通系信販会社のマイカルカード(現ポケットカード)を取得した
ものであるとか、消費者金融のプロミスが1979年に信販会社の日本総合信販
(現ジーシ)を設立したものなどがあります。またアメリカを本拠地とする
シティグループは、クレジット会社のダイナース、消費者金融のアイク・
ディック・ユニマットレディースを傘下に収めています。

また特殊事情ですがUFJグループ(三和銀行+東海銀行)は日本信販を救
済的に子会社化したため(UFJ自体も日本信販への融資が帳簿上消滅する
という魔法のような理屈があった)、更には日本信販と三和銀行が共同設立
した会社であるJCBも結果的に傘下に置くこととなりました。最終的には
UFJカード(旧ミリオンカード),JCB,日本信販,更には元々東海銀行系であった
セントラルファイナンスまで統合されて巨大クレジット会社が誕生する可能
性もあります。

このようにして、個人金融会社、クレジット信販会社、銀行の境目は次第に
薄くなってきており、もっと更に再編が進むことは間違いありません。また
現在29.2%という出資法上の利率制限は更に厳しくなっていくことも容易に
予想されるので、そうなると、小さな金融会社は経営がなりたたなくなって
大きな所にどんどん吸収されていくことになるでしょう。

単純な計算をしても利率が半分になれば倍貸し付けなければ、同じ利益を
得ることはできませんが、貸付額を大きくするには資金が必要ですし、倍の
貸し付けをするのに事務費用も倍掛かっていては、やはり経営は成り立ちま
せん。厳密な与信審査をできるだけ人手を省いて行う必要があり、ここが難
しい所です。大手の金融会社でも、審査をきちんとできる担当者は少なく、
その人たちのノウハウをいかに自動化するのかが、常に課題となっています。
また審査の基準も常に変動しており、以前は不動産を持っている人には容易
に融資していたのですが、現在は不動産を最近取得した→ローンが厳しいと
みなしてマイナス査定になる場合もあるようです。このような変化に付いて
いけない金融会社もやはり振り落とされていきます。

一方でバブル期に個人金融で失敗した銀行も再びこれに挑戦しようという
機運があり、今後も銀行の持つ資金力と調査能力・システム構築能力と、
金融会社や信販会社の与信審査能力・回収能力とのコンビネーションは進ん
でいくものと思われます。

更には最近は金融業界の外からの働きかけもあるようです。ライブドアと
イーバンクの提携は決裂してしまったようですが、ソフト会社のCSKが
コスモ証券を取得する手続きをしている最中のようです。そもそも現在の
ネット銀行は異業種からの参入組が多く、スーパーのイトーヨーカドーが
設立したIYバンクなどはもう利益を上げ始めています。大企業の中には
事実上銀行並みの資金運用をしていた所は以前から多く、このような動き
もまた盛んになっていく可能性があります。

そしてひょっとしたら、こういった金融再編が、日本経済の再生への道筋
を付けることになっていくのかも知れません。


(2004-04-04)

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