被験者に部屋の中に座ってもらい、照明を落として完全な暗闇にします。
その暗闇の中に小さな豆電球を灯します。そして「この灯りが何cmくらい 動いたか報告して下さい」といいます。
私は大学の時7〜8人くらいのグループで一緒にこの実験に参加しました。
私はたっぷり3〜4mは動いたと思いました。でも他の人は「10cmくらい動い たと思う」「いや15cmくらいと思ったけどな」などと言っている。
私は3〜4m動いたなどと報告するのが恥ずかしくなって「30cm」と報告しま した。
しかし。。。
実際にはこの灯りは全く動いていなかったのです。
それなのに、この暗闇の中ではそれがある時期動き始めたように思われ、 やがて停止するように思われる。
これを「自動運動」といいます。
周りに位置関係に関する手懸かりが無い真っ暗闇の中で、人間の空間把握は 不安定になり、本来止まっているものが動いているように見えてしまうので す。私が他の被験者の10倍以上動いているように感じたのは、私のこの方面 の感覚の不安定さを表しているのでしょう。