天宇受売神

↑
天宇受売神
天宇受売神(天鈿女神) あめのうずめのかみ
三重県の椿大神社, 長野県の戸隠神社の火之御子社, 京都の大田神社, 壱岐の賽神社など各地の塞神社・猿田彦神社

天宇受売神(あめのうずめのかみ)は巫女の元祖のような神様です。

はじめ、天岩戸に天照大神が籠もってしまわれた時、その前で舞を舞って、大神を外に出すのに重要な役割を果たされました。

また、天孫降臨の際は、邇邇芸命に付き従って地上に降りていき、その途中、不審な人物を見つけると、諸神が恐れる中、その神に「お前は何物か」と聞きに行きました。これは実は天孫の道案内をしようと待っていた、猿田彦大神で、これが縁で、のちに天宇受売神と猿田彦大神は結婚することになります。

民間伝承では、二人は道祖神になったと伝えられており、各地の道祖神をお祭りするところで、この天宇受売神と猿田彦大神をお祭りしています。

また、この天宇受売神の子孫は、猿田彦の「猿」を取って「猿女の君(さるめのきみ)」と呼ばれ、宮中で楽を奏し舞を舞う仕事をしていました。それ故に、天宇受売神は芸能の守護神ともされ、たとえば京都の映画撮影所近くの芸能神社などにもお祭りされています。

なお、古事記では天宇受売神は天孫降臨の後、海の魚介類を召集して、天の御子の御膳として仕えるよう命じました。その時、ほかの魚介類がみなそれを承知したのに対して、ナマコだけが何も言わなかったといいます。すると天宇受売神は「この口はきけぬのか」と言って、ナマコの口を裂いてしまいました。そのため、今でもナマコは口が裂けているとのことです。

この天宇受売神や、猿田彦大神というのは、本来は太陽神なのではないかとも言われます。それ故、天宇受売神は、天照大神が隠れている時、その代わりのように岩戸の前で舞い、また猿田彦大神も太陽神で、まぶしくて誰も近寄れなかったのを、同じ太陽神である天宇受売神だけは近寄ることができたのではないか、という論議があります。



(C)copyright ffortune.net 1995-2016 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせはこちらから